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インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ 2021

テーマ4 不動産は依然として堅調であり、 気候変動リスクが最大の懸念事項

パンデミックへの懸念が拡大する中、長期の投資期間を持つソブリン投資家は不動産に投資機会を見出す
北米と欧州先進国市場は投資に適した成熟した地域と見なされており、安定した規制制度と良質な資産の幅広い供給により、ソブリン投資家は同地域に注目
産業施設(物流倉庫)、住居、データセンターは今後5年間で最も魅力的な利回りを提供すると見込まれる一方で、商業・小売の投資魅力は低下
気候変動は重大なリスクと見なされており、ソブリン投資家は不動産の評価とデューデリジェンスに気候リスクへの考慮を強める
新型コロナウイルスが流動性の問題に一石を投じる

パンデミックが不動産投資に与える影響については、過去1年間で広く議論されてきました。ソブリン投資家の投資において、不動産への配分は2018年以降初めて減少し、また、資産配分目標よりもアンダーウェイトしているソブリン投資家も減少しました。

図 4.1 戦略的アセット・アロケーション(SAA)に対する比率(回答者に占める比率(%)、ソブリン投資家)

パンデミックにより、ファンドの投資期間について不確実性が大きく増加したため、非流動資産への投資を控えました。

中南米の流動性ソブリン

不動産の投資魅力は引き続き高い

ソブリン投資家は、オフィスから在宅への勤務形態の変化が不動産ポートフォリオに影響を与えることを認識しています。一方で、都市中心部のオフィスへの投資が座礁資産になりうるとの見方に異論を唱えるソブリン投資家は多く、先2年以内に商業用不動産の稼働率と使用状況は新型コロナ以前の水準を回復すると考えられています。

図 4.2 不動産投資において予想される影響 (10点満点における平均スコア、ソブリン投資家)
図 4.3 不動産投資に対する見方(回答者に占める比率(%)、ソブリン投資家)
先進国市場は引き続き最も投資魅力が高い

多くのソブリン投資家が投資機会を評価する際に海外市場にも目を向けており、不動産の資産配分の増加とともに、海外市場への投資能力を開発しています。安定した規制環境を備えた成熟市場が最も投資魅力度が高く、北米や欧州先進国が最も魅力的な投資先として選択されています。

図 4.4 不動産の地域に対する選好度 (回答者に占める比率(%)、ソブリン投資家)

…不変性が重要です。アジア太平洋の新興国や中東では価格がはるかに低くなっていますが、米国市場では規制状況をはるかに容易に管理することができます。

欧米の流動性ソブリン

最も魅力的と見なされるセクターの変化

データセンターは、クラウド・サービスに対する需要の高まりに合わせて急速に成長している不動産タイプであり、中核インターネット相互接続点やフェイルセーフ機能の空調に近接していることなど、施設要件が厳格に定義されています。データセンターは一度建設されれば移転されることはほとんどなく、安定した長期利回りを提供していることから、多くのソブリン投資家は、データセンターに対する専門知識を深め、配分を増やしたいと考えていると述べました。

図 4.5 今後5年間で最も魅力的な利回りを提供すると予想する不動産タイプ(回答者に占める比率(%)、ソブリン投資家)

詳細はレポートを御覧ください。

第9回目となるインベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディでは、82のソブリン・ファンドと59の中央銀行における、141名の投資責任者、資産クラスの責任者もしくはシニア・ポートフォリオ・ストラテジストを対象に調査を行いました。調査対象となった運用資産総額は19兆米ドルに上ります。
インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ

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英語版の資料をご用意しております。
●(英語版)Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2021
インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディの発行は2013年に始まり、今回で9回目となります。今回の調査は、2021年1月から3月の間に実施されました。過去の調査における長期的な傾向の分析、新たに発掘した洞察などから得られた知見を基に、以下の5つの主要テーマを設定し、ヒアリングを行いました。
インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2021

インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2021 第9回目となるインベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ

82のソブリン・ファンドと59の中央銀行における、141名の投資責任者、資産クラスの責任者もしくはシニア・ポートフォリオ・ストラテジストを対象に調査を行いました。調査対象となった運用資産総額は19兆米ドルに上ります。

 

 

 

新型コロナウイルス感染症により流動性が焦点に

テーマ1 新型コロナウイルス感染症により流動性が焦点に。資金引き出しにより保有資産が減少し、現金資産が倍増

新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)により、当面の資金引き出しニーズと将来の投資機会を捉えるため、流動性が焦点になりました。低利回り環境とインフレ懸念を背景に債券への資産配分が削減され、株式とプライベート資産が増加しました。また、バリュエーションへの懸念はあるものの、アクティブ戦略の活用の増加や投資期間の長期化によってそれが一部低減する形で株式配分は増加しています。

パンデミックによりESG投資の採用が進み、インパクト投資の重要性が増す

テーマ2 パンデミックによりESG投資の採用が進み、インパクト投資の重要性が増す

新型コロナウイルスにより、特に中央銀行の間でESGへの注目が高まっています。気候変動は市場価格に完全には織り込まれていないとの見方が一般的となり、それによりESGインテグレーションの目的が投資リターンの改善へと変化しました。特に開発ソブリンの間でインパクト投資への関心が高まっていますが、規模があり投資可能な機会を見つけることが課題として残っています。

 地政学的リスクは残るものの、 新型コロナウイルス感染症の収束と共に中国への投資を再開

テーマ3 地政学的リスクは残るものの、 新型コロナウイルス感染症の収束と共に中国への投資を再開

魅力的な内需によるリターンと多様な投資機会に支えられ、中国の投資妙味は過去4年間で着実に高まっています。ソブリン投資家は、中国の経済的重要性の高まりと、株価指数と債券指数における中国採用の増加に着目しています。一方で、政治的リスクはますます大きな課題となっており、ソブリン投資家は投資に対する重要な障害として米国との政治的緊張の高まりを指摘しています。

 

 

不動産は依然として堅調であり、気候変動リスクが最大の懸念事項

テーマ4 不動産は依然として堅調であり、気候変動リスクが最大の懸念事項

ソブリン投資家は引き続き不動産を大きな投資機会を見出しており、北米と欧州先進国がその投資地域として注目されています。投資機会は不動産タイプによって異なっており、産業施設(物流倉庫)、住居、データセンターが最も魅力的な利回りを提供すると見なされています。また、気候変動はポートフォリオに対する最も重要なリスクと見なされており、ソブリン投資家は不動産の評価とデューデリジェンスの際に気候リスクの考慮を強めています。

中央銀行の準備金は大幅に増加 その分散化について流動性準備金とともにリスク資産に注目

テーマ5 中央銀行の準備金は大幅に増加 その分散化について流動性準備金とともにリスク資産に注目

新型コロナウイルスによりリスクに関する議論が高まり、準備金が増加し、流動性資産への配分が増加しました。中央銀行は、単一資産レベルのリスクからポートフォリオ・レベルでのリスクを注視するようになっており、非伝統的な「リスク資産」への配分はポートフォリオ・レベルのリスクを低下させると認識されています。株式の重要性は高まり続けていますが、広範なインデックスやETFという最も流動性の高い選択肢が注目されています。また、米ドルからの資金移動が続いており、その主な受益者は中国人民元となっています。

当資料は、一般もしくは個人投資家向けに作成されたものではなく、機関投資家向けのものとなります。情報提供を目的として、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社(以下、「弊社」といいます。)が、英文でリリースされた”Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2021”を解説するために作成された英語コンテンツの一部を翻訳して作成したものであり、法令に基づく開示書類でも投資勧誘を目的としたものでもありません。翻訳(または抄訳)には正確を期していますが、必ずしも完全性を保証するものではありません。また、抄訳の場合には、原資料の趣旨を必ずしもすべて反映した内容になっていない場合があります。また、公表されたデータ等に基づいて作成されたものですが、過去から将来にわたって、その正確性、完全性を保証するものではありません。
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