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インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ 2021

テーマ2 インパクト投資の重要性が増す中、パンデミックによりESG投資の採用が増加

ソブリン投資家の約3分の1が、パンデミックによりESGへの注目を高めており、人的活動の環境への影響と、不平等と健康に関する労働基準の課題が浮き彫りにされたと述べる
多くのソブリン投資家は、気候変動が市場価格に完全には織り込まれておらず、さらなるリターンの機会があると見込む
ソブリン投資家はさまざまなESG戦略を採用しており、開発ソブリンの間でインパクト投資の重要性が高まる
気候変動の影響の考慮がマクロ経済にますます不可欠になるにつれて、中央銀行のマンデートがESG採用への制約になり始める

本調査では、ソブリン投資家および中央銀行における、環境、社会、ガバナンス(ESG)の原則の採用が、2017年以降、急激に進んでいることが明らかになっています(図2.1)。組織レベルでESGを採用する回答者の割合はわずか4年間で劇的に増加し、ソブリン投資家では46%から64%に、中央銀行では11%から38%に上昇しました。

図 2.1 ESGの原則を採用しているソブリン投資家(回答者に占める比率(%))

急速に進むESGの採用

新型コロナウイルスのパンデミックと、商品開発が進んだことで、ソブリン投資家や中央銀行はESGの採用を増やしました。パンデミックによるポートフォリオへの影響とそこからの回復における投資機会について調査しているときでさえ、ソブリン投資家と中央銀行はESGにより一層注目しました。

 
中央銀行はESGの採用の増加を目指す

ESGに対する中央銀行の関心の高まりは、中央銀行の投資活動からも読み取ることができます。グリーンボンドは持続可能なプロジェクトと明確に関連しているため、多くの中央銀行がグリーンボンドに長年関心を持っています。実際、いくつかの中央銀行は、国際決済銀行(BIS)が設定した中央銀行向けの米ドル建てとユーロ建てのグリーンボンドファンドについて言及しました。このようなファンドは、ESGへの投資を容易にしています。

図 2.2 ESGに対する姿勢について(回答者に占める比率(%))
図 2.3 気候変動に対する中央銀行の姿勢について (回答者に占める比率(%)、中央銀行)
超過リターンの獲得を目指し、開発ソブリンを中心に、ソブリン投資家は気候変動へより一層注目する

気候変動は市場価格に完全には織り込まれていないとの見方が一般的であり、これがESGインテグレーションの目的が投資リターンの改善へと変化させる一因となっています。

図 2.4 ソブリン投資家がESGの原則を採用する動機 (回答者に占める比率(%)、ESG原則を有するソブリン投資家)

その価値が明らかになっているESG投資

いくつかのソブリン投資家は、投資目的がリターンの改善へと変化したと述べており、ESG投資により年間を通じて損失が減少し、全般的に投資リターンが上昇しました。

 

ソブリン投資家の間で関心が高まるインパクト投資

ソブリン投資家は、インパクト投資への関心の高まりについて言及しました。インパクト投資は、従来の経済的なリターンの獲得に加え、投資を通じて社会的課題の解決を目指す戦略です。他の機関投資家と同じく、ソブリン投資家は、規模と投資の面で適当な機会を見つけることに課題が残ると述べていますが、インパクト投資への関心はますます高まっています。

図 2.5 採用しているESG戦略(回答者に占める比率(%)、ESGを取り入れている全投資家)
気候変動問題への取り組み

すべてのソブリン投資家が気候関連の投資機会に同じような大規模な投資を行ったわけではありません。多くのソブリン投資家は、ポートフォリオにおける二酸化炭素排出量の評価など、二酸化炭素削減の測定に関するベースラインをまだ確立していません。そのため、開発の初期段階にいますが、本調査では、ソブリン投資家の気候変動に取り組む意欲の高まりが明らかになっています。

図 2.6 二酸化炭素排出量と気候変動の測定モデルの使用状況について(回答者に占める比率(%))

詳細はレポートを御覧ください。

第9回目となるインベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディでは、82のソブリン・ファンドと59の中央銀行における、141名の投資責任者、資産クラスの責任者もしくはシニア・ポートフォリオ・ストラテジストを対象に調査を行いました。調査対象となった運用資産総額は19兆米ドルに上ります。
インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ

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●(英語版)Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2021
インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディの発行は2013年に始まり、今回で9回目となります。今回の調査は、2021年1月から3月の間に実施されました。過去の調査における長期的な傾向の分析、新たに発掘した洞察などから得られた知見を基に、以下の5つの主要テーマを設定し、ヒアリングを行いました。
インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2021

インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2021 第9回目となるインベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ

82のソブリン・ファンドと59の中央銀行における、141名の投資責任者、資産クラスの責任者もしくはシニア・ポートフォリオ・ストラテジストを対象に調査を行いました。調査対象となった運用資産総額は19兆米ドルに上ります。

 

 

 

新型コロナウイルス感染症により流動性が焦点に

テーマ1 新型コロナウイルス感染症により流動性が焦点に。資金引き出しにより保有資産が減少し、現金資産が倍増

新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)により、当面の資金引き出しニーズと将来の投資機会を捉えるため、流動性が焦点になりました。低利回り環境とインフレ懸念を背景に債券への資産配分が削減され、株式とプライベート資産が増加しました。また、バリュエーションへの懸念はあるものの、アクティブ戦略の活用の増加や投資期間の長期化によってそれが一部低減する形で株式配分は増加しています。

パンデミックによりESG投資の採用が進み、インパクト投資の重要性が増す

テーマ2 パンデミックによりESG投資の採用が進み、インパクト投資の重要性が増す

新型コロナウイルスにより、特に中央銀行の間でESGへの注目が高まっています。気候変動は市場価格に完全には織り込まれていないとの見方が一般的となり、それによりESGインテグレーションの目的が投資リターンの改善へと変化しました。特に開発ソブリンの間でインパクト投資への関心が高まっていますが、規模があり投資可能な機会を見つけることが課題として残っています。

 地政学的リスクは残るものの、 新型コロナウイルス感染症の収束と共に中国への投資を再開

テーマ3 地政学的リスクは残るものの、 新型コロナウイルス感染症の収束と共に中国への投資を再開

魅力的な内需によるリターンと多様な投資機会に支えられ、中国の投資妙味は過去4年間で着実に高まっています。ソブリン投資家は、中国の経済的重要性の高まりと、株価指数と債券指数における中国採用の増加に着目しています。一方で、政治的リスクはますます大きな課題となっており、ソブリン投資家は投資に対する重要な障害として米国との政治的緊張の高まりを指摘しています。

 

 

不動産は依然として堅調であり、気候変動リスクが最大の懸念事項

テーマ4 不動産は依然として堅調であり、気候変動リスクが最大の懸念事項

ソブリン投資家は引き続き不動産を大きな投資機会を見出しており、北米と欧州先進国がその投資地域として注目されています。投資機会は不動産タイプによって異なっており、産業施設(物流倉庫)、住居、データセンターが最も魅力的な利回りを提供すると見なされています。また、気候変動はポートフォリオに対する最も重要なリスクと見なされており、ソブリン投資家は不動産の評価とデューデリジェンスの際に気候リスクの考慮を強めています。

中央銀行の準備金は大幅に増加 その分散化について流動性準備金とともにリスク資産に注目

テーマ5 中央銀行の準備金は大幅に増加 その分散化について流動性準備金とともにリスク資産に注目

新型コロナウイルスによりリスクに関する議論が高まり、準備金が増加し、流動性資産への配分が増加しました。中央銀行は、単一資産レベルのリスクからポートフォリオ・レベルでのリスクを注視するようになっており、非伝統的な「リスク資産」への配分はポートフォリオ・レベルのリスクを低下させると認識されています。株式の重要性は高まり続けていますが、広範なインデックスやETFという最も流動性の高い選択肢が注目されています。また、米ドルからの資金移動が続いており、その主な受益者は中国人民元となっています。

当資料は、一般もしくは個人投資家向けに作成されたものではなく、機関投資家向けのものとなります。情報提供を目的として、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社(以下、「弊社」といいます。)が、英文でリリースされた”Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2021”を解説するために作成された英語コンテンツの一部を翻訳して作成したものであり、法令に基づく開示書類でも投資勧誘を目的としたものでもありません。翻訳(または抄訳)には正確を期していますが、必ずしも完全性を保証するものではありません。また、抄訳の場合には、原資料の趣旨を必ずしもすべて反映した内容になっていない場合があります。また、公表されたデータ等に基づいて作成されたものですが、過去から将来にわたって、その正確性、完全性を保証するものではありません。
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