Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2023

インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2023

はじめに

第11回目となるインベスコ・グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディによると、ソブリン投資家は、持続的なインフレと高まる地政学リスクや気候変動リスクを特徴とする新たなマクロ経済環境にポートフォリオを適応させていることが分かりました。

インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ

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(英語版)Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2023
(日本語版)Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2023

金利の急上昇と上場資産価格の急激な調整により、ほとんどの政府系ファンドは2022年のリターンがマイナスになると報告し、大多数(86%)は今後10年間のインフレ率が過去10年間よりも高くなると予想しています。これを受けて、多くのファンドは新興国市場への新たな関心とともに、債券やプライベート・アセットへの投資方法を根本的に見直しています。
インベスコが毎年実施してきている本調査は、ソブリン投資家の動向を探る主要な指標となっており、合計21兆ドルの資産を運用する85のソブリン投資家と57の中央銀行の投資責任者、資産クラスの責任者、シニア・ポートフォリオ・ストラテジスト、142人の見解に基づいています。

これまでと同様、今年の調査の主要テーマが皆さまのお役に立てれば幸いです。
 
主な指標
投資期間

2022年にかけて、投資家は引き続き投資期間を延長し、その結果、投資期間は6年連続で延長されたことがわかりました。政府系ファンドは、2022年の10.7に対し、平均11.3年の投資期間を報告しています。投資ソブリンは、例年と同様、最大の上昇を示していますが、今年は流動性ソブリン(より短い時間軸を特徴とする)も顕著な上昇を示しています。ソブリン投資家は、プライベート資産への配分を含め、より広範な投資を促進するために投資期間を延長しています。

図 A 投資期間と投資目的(年数)
パフォーマンス

金利の急上昇が債券リターンに、上場資産の価格調整が株式リターンに影響を与える中、ソブリン投資家は困難な年に直面しました。このため、ソブリン投資家は2022年12月までの平均リターンがマイナス3.5%になったと報告しており、これは本調査のパフォーマンス追跡開始以来初めてマイナスの結果になったことを示しています。流動性ソブリンは、債券への配分が最も高く、プライベート・マーケットへの投資が最小限であったため、セグメントの中で最も低いのパフォーマンスとなりました。

図 B 年間リターン(%)
資産配分

債券への配分は2年間の減少を経てわずかに回復基調となっており、現在は平均すると28%(27%から上昇)となっています。株式への配分は若干後退し、昨年の32%から2023年には30%に低下しています。

図 C 資産配分の動向
資産配分

政府系ファンドはオルタナティブ投資への配分を増やし続け、現在では27%(直接戦略投資を除く)に達していますが、これは流動性の低いオルタナティブ投資への着実な増加によるものです。インフラへの配分の増加は過去12ヵ月間の顕著な特徴であり、現在では、この資産クラスはポートフォリオの7.1%を占め、不動産やプライベート・エクイティへの配分が減少または横ばいとなったことを相殺しています。

図 D オルタナティブ投資への資産配分の動向
各テーマの詳細については下記からテーマをお選びいただき、ご確認ください。
プライベート・アセットに価値を見出す

テーマ2 プライベート・アセットに価値を見出す

政府系ファンドは引き続きプライベート・アセットに魅力を感じていますが、パフォーマンス格差が、投資家により慎重な選択を促しています。インフラストラクチャー、特に再生可能エネルギーが選好するセクターとして浮上しています。債務指標を評価し、レバレッジに依存したリターンよりも持続的成長を優先させることは、投資の意思決定において不可欠な要素となっています。

将来に向けた資金調達:エネルギー転換を加速させるソブリン投資家の戦略

テーマ3 将来に向けた資金調達:エネルギー転換を加速させるソブリン投資家の戦略

地政学的緊張の高まりと気候変動への懸念は、安全で持続可能なエネルギー供給網の必要性を際立たせ、再生可能エネルギーは投資家の最重要課題へと押し上げられています 。政府系ファンドや中央銀行は、グリーンインフラ投資やグリーンボンドを優先しています。

グリーンウォッシングの状況を理解して、 投資家は積極的な姿勢をとり、開発リスクを受け入れ、本当の意味でのESGとの整合性を確保するためにグリーンボンドを発行しています。

当資料は、一般もしくは個人投資家向けに作成されたものではなく、機関投資家向けのものとなります。情報提供を目的として、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社(以下、「弊社」といいます。)が、英文でリリースされた”Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2023”を解説するために作成された英語コンテンツの一部を翻訳して作成したものであり、法令に基づく開示書類でも投資勧誘を目的としたものでもありません。翻訳(または抄訳)には正確を期していますが、必ずしも完全性を保証するものではありません。また、抄訳の場合には、原資料の趣旨を必ずしもすべて反映した内容になっていない場合があります。また、公表されたデータ等に基づいて作成されたものですが、過去から将来にわたって、その正確性、完全性を保証するものではありません。
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