不動産エクイティ証券／デット証券 パフォーマンス・インディケーター（2020年6月末基準）

要約

•グローバル上場不動産証券は、直近に公表された推定正味資産価値（NAV）に対して9%のディスカウント水準で取引を終えましたが、これは長期平均を下回っています。

•上場不動産証券のバリュエーションは、北米やアジアを中心とする広範な株式に対して緩やかになっているように見受けられます。全体的に、不動産投資市場は債券代替資産に比べ魅力的な価格設定の恩恵を依然として受けており、これは不動産投資利回りとリスクフリーレートの間の長期的なスプレッド水準が拡大していることを示しています。

•不動産デットの一部のセグメントでは、リスク調整後リターンで魅力的な投資機会を提供しているように見受けられます。¹

1. 出所：コンセンサス・データに基づくインベスコ・リアル・エステートの推測

●平均すると、上場不動産企業の株価は推定正味資産価（NAV）を下回る水準で取引されており、長期平均に対しては大幅なディスカウントとなっています。

●不動産の投資利回りは、10年国債にプラスの利回りスプレッドを上乗せした水準となっています。

●世界の多くの地域ならびに物件タイプで、商業不動産のファンダメンタルズは健全な状況にあります。ただし、市場の賃料サイクルには進行がみられ、需給への注目がますます高まっています。

●米国REITの配当とファンド・フロム・オペレーション（FFO）の成長は減速しています。

●米国REITの株価は、推定NAVと比較して7%のプレミアムとなっています。長期的には、平均すると小幅なプレミアムで取引されています。

●構造的に良好な事業環境にあるセクターでは、推定NAVに対して大幅なプレミアムで取引されています。テナントの収益力や資産の品質に課題のあるセクターでは、推定NAVに対して大幅なディスカウントで取引されています。

●米国不動産証券は、利益対比バリュエーションでは一般株式より27%のディスカウント水準で取引されています。2006年以来の平均バリュエーション水準は1%のディスカウントです。

●利益成長は、集合住宅、産業施設セクターからの構造的な需要によって支えられています。

●欧州では、株価は推定NAVに対して8%のディスカウント水準で取引されており、長期平均を下回っています。

●欧州では、利益対比バリュエーションで不動産証券は一般株式と比べ9%のプレミアムな水準で取引されています。2006年以来の平均バリュエーション水準は69%のプレミアムです。

●経済成長見通しを背景に、アジア太平洋地域では、利益成長が低下傾向を示しています。

●アジア太平洋地域では、株価は推定NAVに対して21%のディスカウント水準で取引されており、長期平均を下回っています。

●アジア太平洋地域では、利益対比バリュエーションで不動産証券は一般株式と比べて7%のディスカウント水準で取引されています。2006年以来の平均バリュエーション水準は20%のプレミアムです。

●2020年1-6月期を通じて、REIT投資適格社債のパフォーマンスがCMBS BBB格を上回りました。

●2020年4-6月期を通じて、CMBS BBB格のスプレッドは引き続き拡大しました。

●CMBS全般の債務返済遅延発生率は、2020年4-6月期を通じて上昇傾向を示しました。

●2020年4-6月期を通じて、米国REIT優先証券のスプレッドは縮小しました。

C2020-08-101