グローバル・ビュー

株価底打ちの条件とは?

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要旨

株価急落の背景について振り返る

株価の底打ちについて議論する前に、まず株価がここまで激しく下落した背景について振り返ってみると、①コロナウイルスの感染拡大によって極めて速いペースで世界経済見通しが悪化してきた、②景気見通しの悪化によって金融市場におけるストレスが連鎖的に強まってきた-ことが挙げられます。

株価が未だ不安定な理由

各国中央銀行や政府による政策努力にもかかわらず株価が不安定な状況が続いているのは、①コロナウイルス問題による外出禁止などの措置が長引いたり、さらに多くの地域に広がるのではないかという懸念、➁金融市場の機能不全が解消されない場合、あるいは、失業問題が深刻化してしまう場合には、実体経済に対してさらに下押し圧力がかかる懸念—が存在しているためです。

株価底打ちの条件

こうした現状認識を踏まえますと、株価底打ちのためには2つの条件が満たされる必要があると考えられます。一つは、主要国において新規の感染者数が明確に減り始めること、もう一つは、経済見通しがこれ以上深刻化しないとの見方が金融市場で支配的になることです。残念ながら、現段階ではこれらのうちどちらも条件もすぐに満たされる状況にはなく、当面は株価の変動が大きい状況が続くと思われます。ただ、日本も含めた各国政府は政策対応を次々に打ち出してきていることから、今後、感染状況とともに各国での政策の動き引き続き注目されます。
木下智夫のマーケットポイント解説:株価底打ちの条件
 グローバル金融市場では、ここ数日でみるとコロナウイルスの感染拡大に伴う動揺がやや落ち着いてはいるものの、まだ十分に安定している状況ではなく、株式市場ではボラティリティーの高い状態が継続しています。そこで、本稿では、世界的に株価が底打ちする条件について考えてみたいと思います。
株価急落の背景について振り返る
 底打ちについて議論する前に、まず株価がここまで激しく下落した背景について振り返ってみましょう。コロナウイルスに伴う株価下落の背景としては、①感染拡大によって極めて速いペースで世界経済見通しが悪化してきた、②景気見通しの悪化によって金融市場におけるストレスが連鎖的に強まってきた—ことが挙げられます。①については、3月に入ってから欧米での感染ペースが加速し、ロックダウンと呼ばれる外出禁止措置が欧米の多くの地域で発令されたことで、各国における消費や投資などの経済活動が急減少するとの認識が広まりました。主要国の経済見通しについてのコンセンサスは事実上下方修正されつづけており、米国の4-6月期成長率についての民間調査機関による見通しは、前期比年率でマイナス20%台~マイナス40%台が一般的となってきました。欧州でも同様の落ち込みが予想されており、欧米の需要低迷によってその他の先進国・新興国経済にも悪影響が出ることが確実視される状況となっています。②については、原油安がきっかけとなって信用リスクに対する警戒感が急速に強まることで、社債利回りの国債利回りに対するスプレッドが急拡大したほか(『「激動の1カ月」を検証』(当レポート2020年3月25日発行)をご参照ください)、急速なドル高の進行、新興国通貨の大幅な下落といった現象が生じました。
株価が未だ不安定な理由
 その一方で、FRB(米連邦準備理事会)やECB(欧州中央銀行)、日本銀行等による金融政策対応や財政政策の策定が進んでいます。これらは株価を支える材料として重要ですが、それでも株式市場での動揺が収まっていないのは、事態が今後さらに悪化するのではという懸念が残っているためです。具体的には、コロナウイルス問題による外出禁止などの措置が長引いたり、さらに多くの地域に広がるのではないかという懸念があります。例えば、米国の場合は3月30日現在で国民の75%程度がコロナウイルス問題による外出禁止措置の対象となっています(3月31日時点でのビジネスインサイダーの報道による)が、この対象地域が広がれば、経済に想定以上の大きな打撃が及ぶことになります(図表1)。また、政策努力にもかかわらず金融市場の機能不全が解消されない場合、あるいは、失業問題が深刻化してしまう場合に、実体経済に対してさらに下押し圧力がかかる懸念もあります
株価底打ちの条件
 こうした現状認識を踏まえますと、株価底打ちのためには2つの条件が満たされる必要があると考えられます。一つは、主要国において新規の感染者数が明確に減り始めること、もう一つは、経済見通しがこれ以上深刻化しないとの見方が金融市場で支配的になることです。現段階ではこれらのうちどちらも条件もすぐに満たされる状況にはありませんので、当面は株価の変動が大きい状況が続くと思われます。ただ、日本も含めた各国政府は政策対応を次々に打ち出してきています。今後、感染状況とともに各国での政策の動きが引き続き注目されます。 
(図表1)米国の州別感染状況

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