市場見通し

2025年の見通し:日本中小型株式 - 2025年は中小型成長株の飛躍の年に

2025 Investment Outlook:日本中小型株式
2024年の株式相場の振り返り

2024年は相場の転換を迎えた年だと考えています。過去数年、我々中小型成長株投資家にとっては非常に厳しい市場環境が続いてきましたが、夏場の大きな調整局面を経て、これまで日本株式市場を牽引してきた大型バリュー株が失速する一方で、小型グロース株の巻き返しが見られ、物色動向に変化がでてきました。

Russell/Nomura日本株インデックスの相対パフォーマンス(対Total Market インデックス)

この背景としましては、今年に入り日銀が17年ぶりに政策金利引上げを行った一方、これまで非常に強かった経済指標が軟化を見せる中、米国でも9月に入り4年半ぶりの利下げが行われ、両国の金融政策の転換を経て為替相場で円安の進行に歯止めがかかるようになったこと、コロナ後のリオープニングで上昇してきた資源価格が落ち着きを取り戻していること、自動車の挽回生産が一巡したこと等、これまで外需・景気敏感の大型バリュー株の上昇を支えてきたマクロ要因の一部が剥落してきたことが挙げられます。

2025年株式相場の見通し

目先は日米の金融政策や第二期トランプ政権による追加関税等の政策に一喜一憂する展開が継続するものの、日本株式市場については、賃金上昇による民間消費の回復が日本経済および企業業績を牽引することが期待され、徐々に上値をうかがう展開に移行していくことを想定しています。実際に、4-6月期の国内総生産(GDP)に続き、台風の上陸や南海トラフ地震臨時情報の発表等、行楽シーズンの消費に向かい風のあるイベントがあった7‐9月期においても実質民間消費は前期比年率換算で2%を大きく超える伸びを見せています。インフレが徐々に落ち着く中、労働市場の構造的な変化を背景に賃金が上昇し、今後は内需の幅広い業種に日本株式市場の牽引役がシフトしていくことが期待されます。こうした中、外需グローバル企業のウェイトが高い大型株と比較して、内需の比率が大きい中小型株により強い利益成長が見込まれる中、中小型成長企業の株価はこれまで大きく出遅れてきたことから割安に放置されている状況です。

企業規模別 EPS成長率比較/企業規模別 バリュエーション(PER)比較

成長のドライバーが外需から内需にシフトをする中、2025年は中小型株、特にこれまで物色の圏外に置かれてきた成長株が再評価され、飛躍の年となることを期待しています。

2025年の投資の着目点

内需関連成長株に投資妙味があると考えています。これまで数年にわたって株価が大きく切り下がってきた、独自の強みを持ち高い利益成長ができる企業を魅力的な株価水準で購入できる千載一遇の機会をとらえるべく、これまで上昇してきたAI(人工知能)・半導体関連銘柄の利食いを進める形で、積極的に銘柄の入れ替えを行ってきました。現在のところ、DX(デジタルトランスフォーメーション)に強みがあるIT関連やコンサルタント企業、カテゴリー内で独自の強みを持ち高成長を続けるリテール企業等が組入れ上位となっています。

これまで日本株式市場はトップダウンあるいはマクロ関連の動きに大きく左右される展開中が続いてきましたが、日本及び米国における金融政策の転換点および選挙を経て、今後は大型株主導でのスタイル・業種等への物色の過度な偏りが落ち着きを取り戻していく過程にあると見ています。市場における物色の広がりが想定される中、中小型成長株の復活とボトムアップによる銘柄選択による超過収益獲得機会の確度は高まってきていると考えています。賃金上昇による内需の回復といったマクロ環境等も追い風となり、2025年はいよいよ中小型成長株の上昇が期待できる相場になるものと予想しております。

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