ソブリン投資家のポートフォリオから学ぶ資産運用
世界情勢、経済環境、金融政策など様々な要因によって、金融市場は刻々と変化をしています。移り変わる投資環境の下、ソブリン投資家(国や政府関連機関等の運用機関)は、どのように巨大な金融資産を守りながら運用しているのでしょうか。インベスコによる独自調査*の結果から、富裕層における資産運用への示唆を紐解いていきます。
*独自調査の詳細はページ下部をご確認ください。
1. ポートフォリオにおける投資期間は?
ソブリン投資家の投資期間は、平均で9.7年(2021年)と引き続き長期化の傾向にあります。世界の投資の最先端を行くといわれるソブリン投資家は、より長期の目線での投資を実践していることが確認できます。
2. 分散効果を高める資産とは?
ソブリン投資家のポートフォリオにみる中長期のトレンドとして、オルタナティブ資産の投資比率の着実な増加傾向がみられます。オルタナティブ資産の中では、不動産の比率が最大となっており、次いでプライベート・エクイティ、ヘッジファンドへの配分(2021年)となっています。
株式や債券といった伝統的資産とは異なるリスク・リターン特性を有しているオルタナティブ資産への投資によって、リスクの分散効果とポートフォリオ全体での安定的なリターンが期待されています。
3. パンデミックによって顕著になったトレンドとは?
新型コロナウイルスのパンデミックによって、環境や健康などへの課題が浮き彫りになったことや、ESG投資の選択肢が充実したことなどから、2017年以降急速にソブリン投資家や中央銀行によるESGの採用が増加しています。
2021年までの4年間で、ESG投資の採用は、46%から64%に上昇しました。
今後も、ソブリン投資家のESG投資への注目は高まり続けると考えられています。
時間とともに相場は変動し、金融商品・資産の価値は変わります。資産などの価値の変動によって当初のポートフォリオ比率(バランス)が大きく崩れると、想定していなかったリスクが生まれたり、期待していたリターンを逃してしまったりすることが起こります。
だからこそ、定期的な「リバランス」が必要になるのです。リバランスによってポートフォリオを定期点検することで、効率の良い投資を目指しましょう。
*調査:「インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ」
2021年で9回目を迎えたソブリン投資家を対象としたインベスコによる調査。2021年の調査では、世界各国のソブリン・ウエルス・ファンド、政府年金ファンド、および中央銀行の資産や準備金を運用する141名の投資責任者(82のソブリン投資家と59の中央銀行)から見解を得ています。当資料のデータは、ソブリン投資家の回答数値を使用しています。
ーレポート画像の風景ー
イタリア シチリア島
イタリア半島の南西に位置する地中海最大の島シチリア島の小路風景。シチリアは、異民族に よる支配の歴史からアラブ、ノルマン、バロック様式など多様な文化が共存し、美しい海と自然、豊かな食文化などで多くの旅人を魅了し続けています。
また多くの映画の舞台、ロケ地としても知られています。名作のひとつ1963年公開のルキノ・ヴィスコンティ監督「山猫」は、イタリア貴族社会を描いたカンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞作品です。シチリア貴族の豪華絢爛な屋敷を舞台に、クラウディア・カルディナーレとアラン・ドロンの瑞々しい演技が印象的な不朽の名作です。