人生全体をポートフォリオとして捉える発想~グローバル分散投資~
日本のプレゼンスは低下
世界競争力ランキングで、日本は1990年前後は1位と世界での高い存在感を示していましたが、その後競争力順位の低下傾向が続いています。2021年の調査では、主要64ヵ国中31位となりました。将来に向けて高齢化社会、優れた人材の確保、デジタル化などへの対応が求められています。
輸入への依存率が高い生活基盤
日本の将来へ向けた課題の一つとして、食糧自給率の引き上げも挙げられます。現在、世界中で見られる異常気象や国際情勢不安等によって輸入が制限されれば、食料不足に陥るリスクが容易に想定されます。生活の基盤である「食」について、海外への依存度を少しでも下げるような対応を考える必要があるでしょう。
人生全体のポートフォリオと金融資産のバランス
今後、日本の将来に向けた様々な課題への取り組みが行われ、日本のプレゼンスが少しでも向上するように期待したいものですが、当面は、日本の競争力が低迷傾向にある一方で、生活基盤は海外からの輸入品に頼らざるを得ない状況は続くものと思われます。
昭和の日本経済は世界と比較し、より高い成長を遂げ、株式や土地の価格も大きく上昇しました。為替は1米ドル360円から100円台まで円高が進行し、その結果、日本人の給料や円資産は世界基準(米ドルなど)で飛躍的に上昇しました。その当時は、生活基盤と金融資産の投資先が同一であることは正しい選択でした。
平成に入ると、日本と世界の経済成長率は逆転し、日本人の給料の伸び率が世界に大きく見劣りする30年が続きました。この期間の資産の利回りも海外と比較して大きく見劣りし、日本人の世界基準でみた豊かさは少しずつ低下してきました。
金融資産のみならず、仕事や衣食住も含めた人生全てをポートフォリオと捉えてみましょう。その中身をグローバル分散させるという観点から、金融資産は海外の成長を取り込むグローバル分散投資が重要になってきます。
ーレポート画像の風景ー
オーストリア ハルシュタット
世界で最も美しい湖畔の街とよばれるハルシュタットは、モーツアルトの生誕地であるザルツブルグから鉄道で2時間ほどの場所にあります。ハルシュタット湖の湖畔には、山の斜面に家々が立ち並び、教会のある古い街並みとしてオーストリアのカレンダーでも人気の景勝地です。
1997年、一帯は「ハルシュタットとダッシュタインの文化的景観」として、ユネスコ世界遺産に登録されました。1965年に公開された映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地としても有名です。