Invesco Japan
特別レポート:Q&Aで解き明かす「世界のベスト」
Q1. 「世界のベスト」のパフォーマンスの状況を教えてください
- 運用チームでは、銘柄の厳選と確信度の検証を徹底的に行い、個別銘柄およびポートフォリオ全体のリスク分析を一段と重視した運用を行ってきました。特定の業種や投資テーマに偏らないポートフォリオを構築することで、相対的に長期で良好なパフォーマンスを実現してきました。
Q2. 主要な株式のスタイルと世界のベストの運用戦略の値動きを教えてください
- 「世界のベスト」は、国・地域や業種、バリューやグロースなどといった株式のスタイルに偏らない運用を行っています。2021年以降の「世界のベスト」の運用戦略のパフォーマンスを、世界株式のバリュー、グロース、高配当といった主なスタイルの株式の値動きと比較すると相対的に良好な結果となっています。
- 暦年のパフォーマンスを見てみると、例えば、2022年はバリューや高配当が優勢、逆に2023年はグロースが優勢と年によって市場が選好するものが異なりました。その中、「世界のベスト」は、市場のスタイルに左右されずどの年にも安定したパフォーマンスをあげてきたことが長期で良好な運用結果をもたらしたと考えています。
Q3. 2024年夏の相場下落時の投資行動について教えてください
- 2024年夏には、米国の7月の雇用統計が予想に反して悪化したことなどを受け、米国の「ソフトランディング」期待が剥落したことから、世界的に株式市場は大きく下落しました。
- 年初より株式市場は上昇傾向にありましたが、運用チームはこのような楽観的な市場環境が続くとは考えておらず、リスクにも備えたポートフォリオを構築してきました。そのため、下落時にも相対的に下値が抑制され、その後も回復基調となりました。
- これは、「世界のベスト」が、以下のような運用を行っていることが背景にあると考えています。
①ダウンサイド・リスクが小さい傾向にある「割安」銘柄と、安定したリターンの源泉となる「配当」にも着目していること
②特定のセクターやマクロ環境に大きく振らされない分散されたポートフォリオを構築していること
Q4. 具体的にどのように銘柄を選択していますか
- 「世界のベスト」は、ビジネスの競争優位性、財務の健全性、経営力などについて個別銘柄を徹底的に調査・分析し、株価の適正水準などの評価を行うボトムアップ・アプローチにより銘柄を厳選します。また、ポートフォリオ構築の際には、どのような局面においても成果を得られるようにリスク分散を図っています。
厳選投資の運用プロセス
- 銘柄を組み入れる際には、必ずグローバルの競合他社との比較検討を行います。「成長」「配当」「割安」の観点から総合的に判断し、より魅力的な銘柄を選定してきます。
競合他社と比較し、ベストと考える銘柄に厳選投資した一例
一例として、生活必需品の業種において、共にグローバルに活躍している“コカ・コーラ・ユーロパシフィック(以下、”CCEP“)”と ”ネスレ“を比較しました。どちらも配当水準は魅力的と考えていましたが、成長と株価水準(割安)に関しては、”CCEP“の優位性が高いと判断しました。また、定性面においても、より高いブランド力と価格決定力を有すると考えた”CCEP“を組み入れました。
Q5. 「金融」セクターの組み入れ比率が高い背景を教えてください
- 2024年9月末現在、業種別構成比率の組み入れ1位は「金融」セクターですが、これはあくまでも個別銘柄の選択を行った結果です。
- その内訳を見てみると、90%は銀行以外で占められており、金融政策に大きく振らされない構成となっています。また、投資会社、取引所、カード会社、保険会社など非常に多様な分野に渡っており、それぞれ異なる値動きになる傾向があることから、リスクが抑えられたポートフォリオとなっています。
- 金融の中で取引所の銘柄をご紹介します。
Q6. マグニフィセント7についての見方を教えてください
- 大型テクノロジー銘柄であるマグニフィセント7 *1に関しても、成長、配当、割安の観点から投資するかどうかを見ています。マグニフィセント7については、様々な局面で保有してきましたが、いずれも株価水準が「割安」と考えるタイミングで組み入れてきました。
- 現状では、以下の3銘柄を組み入れています。
①世界トップのクラウドのシェアを有することから、クラウド化の構造的成長の恩恵を受けると期待されるアマゾン・ドット・コム
②iPhoneやWindowsなど、人々の生活に欠かせない製品・サービスを提供するという意味で「生活必需品」の企業に近いと考えているアップルやマイクロソフト
Q7. 今年新たに組み入れた銘柄について教えてください
Q8. 今後、どのような分野に投資機会があると考えていますか
- 主な投資の着目点としては、2024年の前半からあまり変化はなく以下の3つの点となっています。
- 加えて、以下の理由から着実なリターンの源泉となる「配当」の重要性が高まると考えています。
①過去10年間、企業は順調に利益成長を遂げてきており、成長期待の高まりから市場全体で株価水準(バリュエーション)が切りあがることで株価の上昇を後押しした面も見られた。そのため、株価の割安度が低下していること。
②地政学リスクの高まり、2024年の選挙イヤーが終了した後の新しい政策や米国による関税政策への不透明感などによる市場の変動性の高まりが予想されること。