成長著しいブロックチェーン市場と注目を集めるブロックチェーン分野
〔レポートのポイント〕
1. 成長著しいブロックチェーン市場規模:2030年には340兆円を超える規模に
2. 良好なパフォーマンス:社会のデジタル革命の進展を支えるブロックチェーン関連企業
3. 活用が広がるブロックチェーン技術:暗号資産、NFT、メタバース
5G、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、フィンテック、ロボティクス、メタバースなど、私たちの生活をより便利に、快適にしてくれる様々なデジタル革命が加速しています。その一方で、財産や安全にかかわる技術・サービスが増えていることから、情報(データ)の安全と信頼の重要性がこれまでにないほど高まっています。
インターネットだけでは実現できなかった、デジタル革命の基幹技術として注目されているのが「ブロックチェーン」です。その市場規模は2030年までに340兆円規模になると予測されており、様々な企業・産業でブロックチェーン技術が注目・活用されています。
急速な市場拡大が期待されるブロックチェーン技術を活用し、サービスを提供する、ブロックチェーン関連企業の株価指数を世界株式と比べると、特に2020年以降に世界株式を大きく上回る良好なパフォーマンスを示しています。
ブロックチェーン株価指数が好調に推移する背景として、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、社会のデジタル革命の進展が急速に進む中で、ブロックチェーン技術が様々な分野で活用され、新しいサービス・産業を生み出していることが背景にあると考えられます。
ブロックチェーン株価指数の良好なパフォーマンスは、ブロックチェーン技術が様々な分野で活用され、新しいサービス・産業を生み出していることが背景にあります。下記のように、金融を始めとして幅広い分野で急速に活用が進んでいます。
ビットコインなどの暗号資産は、ここ数年急速に市民権を獲得しています。時価総額拡大の背景には、企業が新たな価値保全手段として暗号資産を購入したり、暗号資産に連動する先物やETFを通じて機関投資家が新しいアセットクラスとして投資するなど、市場参加者の多様性が高まっていることが理由の一つとしてあげられます。
2021年はNFT(ノンファンジブル・トークン)が一躍脚光を浴びた年でした。2021年3月に、比較的無名のアーティストのNFTデジタルコラージュ作品が、老舗オークションのクリスティーズで約75億円で落札されたことをはじめ、世界で最初のTwitter上のつぶやきなど、「デジタルデータの所有権の証明」に目を付けた様々なNFTが取引されるようになりました。
当初は著名人や企業のPRを兼ねた取り組みが目立っていましたが、個人によるアート作品やゲームアイテムの取引が2021年夏以降に急増し、現在ではNFTの取引プラットフォーム上で、毎月数千億円規模の取引が行われています。流行語大賞にもノミネートされ、ブロックチェーン技術がもたらした、新しい価値の一つとして注目されています。
ブロックチェーン技術の一つとして2022年に注目を集めると期待されているのがメタバースです。インターネット上の仮想空間を活用したサービスは、2000年代から存在していましたが、テクノロジーの発展とブロックチェーン技術との融合により、活用の機会や重要度が急速に増しています。仕事や日常活動のメタバース上への移行が増えると、個人情報の管理や支払いの安全性を守ることができるブロックチェーン技術は欠かすことができないものとして期待されています。
2021年にはフェイスブック社が「メタバース事業に注力する」ことから社名をメタに変更するなど、メタバースにかかわる取り組みが動き始めています。メタバースの市場規模は2028年には8,290億米ドル(約95兆円※1)になるという、高い成長が予測されています。
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