多方面で活用が進むブロックチェーン技術

ブロックチェーン技術が、2009年にビットコインの基幹技術として生み出されて以来、ブロックチェーン技術を活用したサービスが日進月歩で登場しています。2021年も、その勢いは加速しており、ブロックチェーン技術の活用に注目が集まる、様々な出来事がありました。

ビットコインなどの暗号資産は、金融領域で新しいビジネスや価値を創造してきました。そして今では、ブロックチェーン技術は金融の中心領域でも注目されており、現金（法定通貨）をデジタル化するという動きが進んでいます。これは中央銀行デジタル通貨（CBDC）と言われ、来年の北京五輪に合わせて導入が見込まれるデジタル人民元もその一つと言われています。また、欧州中央銀行の理事が「ユーロ圏ではCBDCが法定通貨となる公算が大きい」という旨の発言をするなど、世界各国が注目し、研究や導入にむけた動きが加速しています。

そして、ブロックチェーン技術は金融以外の領域でも注目を集めています。SDGs（持続可能な開発目標）と並んで、2021年の流行語大賞にノミネートされたNFT（ノン・ファンジブル・トークン）もその一つです。デジタルデータなどの、所有権の証明を可能にするNFTは、デジタル・アートやデジタル・トレーディングカードといったコレクターズアイテムの領域などで急速に活用が進んでいます。

他にも、様々な産業やビジネスでブロックチェーン技術の活用が進んでいます。しかし、そのいずれにも言えることは、まだまだ発展・成長の段階、あるいは黎明期にあるという事です。

世界をカエル（変える）技術であるブロックチェーンは、これからますます活用が進み、その注目や価値も高まると考えられます。その変化の過程を、世カエルを通じて、ぜひご覧頂きたいと思います。

インデックス構成銘柄における11月の騰落率の上位は、ブロックチェーン産業に関わる様々な企業がランクインしました。特に、騰落率1位となったビットファームズ カナダでは、21年7-9月期の営業収益が、昨年同期比6倍を超える記録的な成長となりました。同企業はビットコインなど暗号資産のマイニング（採掘）を主な事業としており、採掘規模の拡大と採掘コストの低減が同時に進展したことが好業績と株価上昇の背景にあります。

ビットファームズ カナダは事業とブロックチェーン技術の関連性が特に高い企業ですが、上昇ランキング上位の企業は様々な形でブロックチェーン技術を活用し新たなビジネスを伸ばしています。ビットファームズ カナダ以外にも、今月は好決算を記録した企業が騰落率上位銘柄に並びました。

足元のブロックチェーン・ビジネスは、特に金融関連において多角的かつ急速に進展していることから注目されています。一方、私たちの身近な所にもブロックチェーン技術を使用したサービスが広がり始めています。今後、ブロックチェーン技術は社会全体の様々な場面で活用されるようになり、関連する企業も大きく成長すると期待されます。当ファンドはブロックチェーン技術の活用の広がりを長期的に見据え、厳選した企業への投資を行っています。

第1位、48.8％上昇したビットファームズ カナダは、カナダでビットコインを採掘する、大手マイニング・オペレーション企業です。カナダのケベック州において、環境に配慮した水力発電による暗号資産の採掘工場を運営しています。2021年6月にNASDAQに上場しました。

第2位、34.6％上昇したクアルコムは、スマートフォンなど移動体通用の半導体の設計開発を行う、世界最大級の半導体メーカーです。無線通信技術をベースにしたブロックチェーン関連特許も保有しています。

第3位、30.6％上昇したAMDは、米国大手の半導体製造企業です。PCの演算処理のコアとなる半導体（CPU）や、ブロックチェーン技術の活用には欠かせないグラフィック用半導体（GPU）を製造しています。